西本願寺を後にしたがぁこさんが、続いてやってきたのはカルフールの近くの「法華寺」。
「台北法華寺」とか、「萬華法華寺」とか呼ばれることもあるようだ。
西門紅楼からカルフールに続く西寧南路に面しており、黄色い壁に大きく「南無阿弥陀佛」と書かれているのを、観光客の方も見かけたことがあるかもしれない。
こちらのお寺も前をよく通るけど、今まで一度も中に入ってみたことがなかったお寺。
「法華」とあるから日蓮宗かな、じゃあ日本のお寺かしらと思って、今回の散歩を計画した時に改めて調べてみたら、やっぱり日本のお寺だったので、エア帰省コースに組み入れた次第。
お寺の山門の左手に「南無妙法蓮華経」と刻まれた石碑が立っている。これは裏面の写真撮ってないけど、あとで調べたら「昭和五年(1930年)」と刻まれているようだ。
私が調べた限りでは、お寺の歴史はだいたい以下の通り。
法華寺の前身となる日蓮宗の布教所が創建されたのが1897年(明治30年)。
現在の場所に移転したのが1910年(明治43年)で、当時の住所は若松町、お寺の名前は「観音寺」といった。
1919年(大正8年)にお寺の建物が完成し、翌1920年(大正9年)に寺名が「法華寺」と定められ、現在に至る。
あれ、じゃあ、さっきの石碑は布教所時代のものなのかしら。
山門をくぐり境内に入ると、参道わきに小さな石塔があり、よく見ると「百度石」と書いてあった。百度石って、あれですよね、あのお百度参りの百度石ですよね!?
これは確実に日本のもの。
側面と裏をみると、「昭和十三年十二月」「鳥取県八頭郡田頼村 母スイ 八木清一 妻リョウ」の文字を確認できた。鳥取県の八木さんご一家が奉納されたもののようだ。
日本の寺院跡に残っている遺物に彫られた文字が、塗りつぶされずにここまできれいに残ってるって、珍しいかも。
さて、本堂である。
1989年に改修されたそうで、色彩が中華風になってるけど、建物のスタイルや装飾、欄干の擬宝珠とか、全体的に日本の面影あり。
本堂の中にはずらりと仏さま。
天井にペンキが塗ってあるけど、全体的に日本スタイル。
テーブルと椅子がセットしてあって法事の準備中みたいな雰囲気で、入ってよいのか判断が付かなかったので外から拝見してお参り。
仏像好きなので、機会があったら中をまた見学してみたい。
お参りを終えて階段を下りてふと欄干の下を見ると、日蓮宗の宗紋(井桁に橘)入りの古い瓦が無造作に放置してあった。改修の時に取り換えた昔の瓦かしら。これは日本のもののような気がする。
さらに周囲を見回すと、本堂わきに隠れるように、というか隠されるように狛犬が鎮座していた。なんでこんな一見見えないところにあるのかな。改修の時に移動したのかしら。
というか、どっちも「阿形」じゃない? 珍しい。京都の清水さんとか両方「阿形」のところもあるけど、珍しいよね。お寺建立した時にわざとこうしたのかしら。それとも2セットあって、「吽形」だけ無くなったとか。
それか二体目は口が閉まり切ってないけど、これで「吽形」なのかしらん?
謎やわ……。
山門に戻ってきて、低い位置の門塀瓦を見ると、丸い部分にお寺を示す「卍」、下に垂れる装飾部分に「蓮の花」。黒く塗装してあって、新しいものの様子。
違う場所の瓦。先ほど本堂の軒下に放置してあった瓦と同じ、日蓮宗の宗紋入り。
こちらは古そう。
小さいお寺だが、なかなかどうして、濃密に日本の面影を残すお寺だった。
またお参りに来るとしよう。
ということで、今回の日本のお寺巡りでエア帰省散歩はこれにて終了。
我ながら、日本に帰れない中、日本の雰囲気が感じられ、歴史のお勉強にもなるナイス企画だった。
また機会があれば、ほかの神社遺跡なども歩いてみたい。
1日散歩、お疲れさまでした♪
2022年1月お正月は日本のお寺巡りでエア帰省(完)
法華寺
住所:台北市萬華區西寧南路194號
0コメント