2022年1月お正月は日本のお寺巡りでエア帰省⑧西本願寺(浄土真宗本願寺派本願寺台湾別院跡地)。(後編)

本堂台座跡の下に位置する「館蔵文物展」で昔の台北の風景や歴史に関する文物を見学し、参道中央に戻ってきた、がぁこさん。

西本願寺の敷地中央に佇む鐘楼の前から、先ほどまでいた本堂を振り返ると、本堂の左手にもなにやら遺構があるようだったので見に行ってみた。

近づいてみると、雨除けの下に建物の土台と思しき跡が残っているだけだったが、手前に開設の看板があり、次のように書かれていた。

『御廟所台座 御廟所(墓所)の建設は1923年(大正12年)。1975年に本堂と共に焼失したため、現存するのはレンガ台座のみとなっている』


1975年に焼失ということは、戦後けっこう長く残っていたのね。

日本の寺院建築でレンガの土台とあるけど、どんな建物だったのかな。看板に写真が掲載されてたらよかったのになあ。残念。


御廟所跡を背にもう一度、鐘楼前に戻ってきた。

この鐘楼は2013年に公開された復元版。

元の様子を復元してあるだけあって、日本の実家の近所のお寺の鐘楼といわれても違和感ないレベル。

吊ってある梵鐘も新しく造られたもので、その是非についてはいろいろあったみたいだが、こうしてみている分には、鐘があったほうがより本物らしく、元の雰囲気を感じさせて、これはこれでよかったのではと、個人的には思う。

鐘楼の土台は盛土されており、中華路に平行に南北の斜面に石階段があり、上り下りできるようになっていた。

鐘楼の櫓には椅子もあり、風通しもよいので良い休憩所になっていた。

登ってみたが、見晴らしもよい。

ベンチに座って鐘を見ていると、普通に日本のお寺にいる気分満点だった。

鐘楼の南側の敷地の端には赤レンガに黒瓦の和洋折衷の建物。

こちらは、以前からたまに展覧会とかで中に入ったことはあったが、もとは何の建物だったのか、ちゃんと見たことがなかったが、建物前の看板に「樹心会館」と書いてあり、以下のような説明が添えられていた。


『樹心会館 1923年(大正12年)落成。台湾総督児玉源太郎が生前、西本願寺に『樹心佛地』としたためた扁額を贈ったことから樹心会館と名づけられた』


出た、児玉源太郎。さっきの臨済護国寺にも登場しましたね。

当時、台湾総督として日本仏教の布教に宗派問わず、相当力を貸していたのだということがわかるなあ。

というか、この樹心会館、戦前のお寺の会館として建てたというけど、当時としては相当モダンだったんじゃないかしら。まさに大正ロマンね。

この日も中では展覧会を開催していたが、今回はパス。

がぁこさんは西本願寺を後にして、本日最後の目的地のお寺に向かったのだった。

2022年1月お正月は日本のお寺巡りでエア帰省⑨につづく~



西本願寺(淨土眞宗本願寺派本願寺臺灣別院蹟地)

住所:台北市萬華區中華路一段174號

時間:屋外24時間、資料館は平日10:00~17:00、週末13:00~17:00

台湾いとしこいし

台湾が好き。 やって来た来た、いとしくて、こいしい、台湾。 勉強して、食べて、遊んで、旅して。勢いだけで、突っ走る元OL留学生、今日も台湾をゆく。 2017年台湾の大学の修士課程卒業、台湾で社会復帰。 instagram@taiwanitoshikoishi