真っ暗な道をなんとか宿までたどり着いたところ、ちょうど入り口で、宿の女主人に出くわした。
妙齢の、小麦色の肌が綺麗なナチュラル美人。とてもいいひとなんだろうなという、良いオーラが出てる感じの笑顔の人だった。
「この子(犬)を連れて、これから目の前の海岸まで星を見に行くけど、いっしょに来る?」
楽しそうなので、一も二もなく、ご一緒させてもらうことに。でもとりあえず、荷物を置かなければ。
宿泊した宿は、古い家をリノベーションした「慢漫海邊」という、カテゴリ的には民宿になるのかな。ネットで見た情報では、寝床1スペースいくらの、バックパッカーや自転車で台湾一周してる人たちがよく泊まっている宿のようだった。
女主人のこのお姉さんは芸術家だとかで、家の外壁はかわいい黄色、部屋の中も手作り感あふれるお洒落な部屋ばかりだった。
部屋ごとに鍵はなく、トイレとシャワーは外。通された部屋は二人部屋で、もう一人女性が今日の私のルームメイトになるそうだ。すでに荷物が置いてあった。
荷物を置いて、お姉さんと海岸へ。真っ暗な中、お姉さんが手に持つ灯りをたよりに波打ち際近くまで歩いていく。
座って空を見上げると、満天の星。天の川がくっきり見える。
こんなにたくさんの星を見たのはいつくらいだろう。波の音と、吸い込まれるように真っ黒な空に、煌めく星々。
「あ、流れ星」
見とれていると、お姉さんが空を指さす。
しばらくお姉さんと話をしながら空を見続けていると、私も流れ星を見つけることができた。願い事をするような時間はなかったけれど、とてもうれしかった。
1時間ほどしてからだろうか、部屋に戻ると、ルームメイトが部屋にいた。私よりだいぶ年上の人のようだったが、ロードバイクで旅をしているとかで、豪快に笑う面白い人だった。
話していると、彼女も明日の朝は早起きして浜で日の出を見るつもりだというので、一緒に見に行くことにした。正直、一人で真っ暗な中を浜まで行くのもちょっと心配だったので、連れができてよかった!
翌朝4時半。
私たちは暗いけれど、うっすら光を感じる中、浜へ向かった。だんだん明るくなってくるにつれて、実はまわりにたくさん人がいるのが見えてきた。
水平線の青紫とオレンジの境が、すこしずつ、さらに明るくなっていって、朝日の光線が放射線状に広がっていく。
水平線の太陽が顔を出しそうなあたりに雲が出ていて、少し心配だったが、光線がくっきりしてきたから、もう日が昇るのだろう。
太陽が顔を出した。
だんだん大きくなる太陽。
ふいに、ものすごい感動に包まれた。昨日の天の川といい、今日の日出といい。台東、太麻里、ここはなんでこんなに綺麗なんだろう。
すっかり日が昇ったところで、ルームメイトと記念撮影。
海岸には、たくさんの人。
明るくなって初めて見えたが、綺麗な花が咲いていたり、カニがいたり。とてもいい浜だった。
記念碑もたっていた。ここは日出の名所らしい。
さあ、宿へ戻ろう。
2014年8月夏休み台東花蓮ひとり旅三泊四日。⑤へつづく~
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