2018年6月台南バイク&バス旅3泊4日。4-DAY1-4鹽水岸內糖廠。廃墟の美―消えゆく製糖工場遺跡を歩く。

長短樹信号所でライトな鉄心を萌え上がらせたがぁこさん。

続いては南西方向にバイクを走らせ鹽水地区にやって来た。ここも昔は先ほどの信号所に続く製糖工場があった場所。まずは、その製糖工場「鹽水岸內糖廠」を見学しに行くつもりだ。

迷子になるのが心配だったので、まずは鹽水の市街地へ。かっこいい神様が立ってらっしゃる「武廟」を通過し、岸内小学校を目指す。この近くに台湾製糖鉄道の鹽水駅があったのだけど、ちょっと場所が良く分からず断念。

武廟を背に金和路をまっすぐ進んでいくと、右手に「岸內糖廠」の看板がかけてある柱がたってる路地に出るので、その路地を右折。途中の路面に鉄道のレールが残ってて、ライトな鉄、ぐっとくる。

そのまま直進していくと岸内小学校に到着する。入っていいのかちょっと迷う感じだけど、製糖工場跡はこの小学校の門をくぐった先にあるので、そのまま進もう。

通路にたててあった案内板を見ると、岸內糖廠は1903年の設立だという。元は台湾人の業者が創設した製糖工場だったが、後に日本人に買収されたのだという。日本統治時代には毎日1200トンもサトウキビを圧搾機で絞っていたのだそうだ。戦後は1994年まで営業していたというが、2018年の段階では完全に廃墟になっていた。

さて、小学校の入口からバイクで少し走ると、ほどなく岸內糖廠の門に到着。普通に門は開いていて、私の前にも自転車の女の子たちが入っていったので、続いて中へ。

こちらは、門の左手の建物。恐らく事務所棟なのかと思うが、中まで樹が生い茂っていて建材も散らかっているのが見える。状態が良くなくて中に入れるような感じはしなかったので外からチラ見。

門から入って少し先の右手にあった倉庫はとても保存状態が良かったので、倉庫の外に鉄道のレールが敷かれているところを見学した。

整然と奥の方まで続く倉庫の扉。

扉に台湾製糖を示す「臺糖」のロゴがいい味出してる。扉が紺色で、まわりの壁が水色っていう配色もおしゃれ。

サトウキビや完成した砂糖を運んだであろう鉄道のレール。

レール伝いに倉庫の奥まで行ってみたが、倉庫の裏は野原というか林というか、荒れ地だったのでここでUターン。

それにしても、美しい廃墟だったなぁ。うっとり。

さて、続いては先ほど通った岸内小学校に戻ろう。小学校にも、日本人にゆかりのある遺跡があるのだ。


P.S.

岸內糖廠は2017年に歴史建築に指定されているそうだが、2021年現在、台南市と文化部の主導で整備工事中。ニュースによると「岸內糖廠影視基地」として、2024年に開園予定だそう。なんかすでに完成した部分には映画のセットの清代の建物とか出来てるみたいだけど、美しい工場遺跡はちゃんと保存されるのかしら。それだけが心配……。



2018年6月台南バイク&バス旅3泊4日。5-DAY1-5につづく~



鹽水岸內糖廠

住所:台南市鹽水區岸內里新岸內96號

※2021年4月現在整備工事中

台湾いとしこいし

台湾が好き。 やって来た来た、いとしくて、こいしい、台湾。 勉強して、食べて、遊んで、旅して。勢いだけで、突っ走る元OL留学生、今日も台湾をゆく。 2017年台湾の大学の修士課程卒業、台湾で社会復帰。 instagram@taiwanitoshikoishi