菁寮老街を後にしたところで、曇りになっていた空が更に薄暗くなり、ぽつぽつ雨も降ってきた。持参したバイクの運転にぴったりのロングレインコートを着込み、引き続きバイクを走らせる。
次の目的地は、「長短樹信号所」という鉄道遺跡だ。
随分前に見かけた台湾の鉄道マニアの方の紹介記事では、線路跡をたどっていった先にあるという、ほぼ廃墟みたいな感じだったので、ちゃんと見つけられるかしらと思っていたのだが、地図につけた印をもとに現地に行ってみると、意外や意外、きちんと整備されて、ちょっとした鉄道公園みたいになっていた。廃墟を探検するつもりで来たから、しっかり見学できてびっくりするやら嬉しいやら。
ざっと見たところ、整備してからそれほど時間が経ってない感じで、つい最近完成したみたい。(2018年6月当時の感想です)
「長短樹信号所」は、日本統治時代に隆盛を極めた台湾の製糖業において、サトウキビや砂糖を運搬するために敷かれた産業用軽便鉄道「台湾製糖鉄道」の信号所だったところ。
資料によると、1920年代には南靖製糖工場と烏樹林製糖工場とサトウキビ園を結ぶ鉄道がここ長短樹で交差しており、その後さらに新営製糖工場と岸內製糖工場に線路が延線したため、長短樹は4本の台湾製糖鉄道が交差する台湾で最も規模が大きい信号所になったのだという。
信号所の建物の中にはレバーが4つならんだ手動の転轍機が残っていて、ガチの鉄道ファンの人が来たらこれだけでもすごい興奮しそう。
普通の鉄道の半分の幅しかない、軽便鉄道の762mm幅のレールも少し残っている。
レールの先にはサトウキビを運んだ機関車やトロッコも置いてあった。
素晴らしい。小さな公園みたいな場所だが、鉄道または製糖工場の歴史に興味がある方には、超おススメのスポットだ。歴史ある鉄道遺産として、今後も残していってほしいものである。
2018年6月台南バイク&バス旅3泊4日。4-DAY1-4につづく~
長短樹信号所跡
住所:731台南市後壁區39之6號
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