観音山貯水池を見学し終わり、貯水池から博物館に戻る途中。
先ほどの赤い手すりの階段を下りたところで、ガイドさんがこうおっしゃった。
「このあと、隣の宝蔵巌アートビレッジに行かれる方は、この先にゲートがあるので、そのまま抜けられますよ」
え! 前はそんなゲートなかったですよね!?
「ええ、そうなんですか、私行きたいです!」
「じゃあ、このまままっすぐ行ってくださいね。すぐ左手にゲートがありますから」
「ありがとうございます! 行ってきます!」
素敵情報をいただき、ガイドツアーとはここでお別れ。みなさんは右方向の歩道へ、私はそのまま直進、左方向の小道へ進んでいった。
するとほどなく、左手方向にゲート発見。ほんとすぐだった。
ゲートは回転ドア方式で、自来水博物館側からの一方通行になっていた。
これは便利。以前なら一度博物館の正門に戻って、回り道していかなくてはいけない場所だったのが、ストレートに行けるなんて、素晴らしい。
中に入ると案内図が。
今は一番高いところにいるみたい。そういえば、前に宝蔵巌に来たとき、こんな奥まで登ってきたことなかったかも。下から登ってこなくていいって、美味しいじゃん♪
美猫のお嬢さんがいらしたが、思い切りシカトされた。お外の猫はツンの子が多いわね~。
でも福々しいからどなたかがお世話してらっしゃるとみた。
ここからの眺めもなかなか。新店渓と高架道路、奥の高層マンション、手前の古い建物のコントラストも面白い。
さて。宝蔵巌散策へ。
宝蔵巌は、いまでこそ「宝蔵巌国際芸術村」として若者のインスタ映え的な人気スポットになっているが、もともとここは違法な住宅街だった。
日本統治時代には、この丘に日本の台湾総督府の台湾軍が軍事拠点を置いていて、駐屯する軍人用の宿舎もあったという。
戦後に国民党政府がここを接収し、建物をそのまま利用して台北北区司令部を設置。そのうちに国民党に連れられて大陸からやって来た「外省人」の軍属や元軍人を中心とした人々が周辺に住宅を築き始めた。これはもちろん違法建築だったが、国民党政府はこれを黙認。
1970年代になって北区司令部が移転すると、違法建築が更に増加。丘の斜面を覆い尽くす集落となり、2000年代まで多くの家庭がここで生活を営んでいた。
私が最初にここを訪れたのは、台北市による取り壊し計画が変更されて、アートビレッジに再整備しようとしてるころだった。あれはいつだったかな、2009年くらい。その時は中には入れなかった。ちゃんと訪問したのは台湾に留学してからだ。
リノベーションしたとはいえ、もとの迷路のように入り組んだ集落の雰囲気は色濃く残っている。
細い通路を抜けると、突然竈(かまど)があったり。
外壁が無くなった住宅あとに椅子が置いてあるのは景色を見るアートなのかな。
かと思えば、家屋の壁にポップな壁画アートがあったり。
アートビレッジの各家屋にはアーティストが入居してアトリエとして利用していたり、おしゃれなカフェがあったり、秘密めいた宿泊施設まである。
ぶらぶら歩いているだけでも、角を曲がるごとに面白い風景に出逢えるのでとても楽しいところだ。
坂を下りてきたところ、下から入っていたら入口の近くにはインフォメーションカウンターもある。初めてだったら、ここで地図をもらって散策するとアートポイントの見逃しがなくていいと思う。
インフォメーションから階段を下りていくと、また違う雑貨店や展覧会場があるのでそちらもおすすめ。
散策終了後はそのまま河岸公園に出てもいいし、入り口のお寺・宝蔵巌観音亭からMRTの駅方面に戻ってもいい。
古い建物やアートが好き、または写真撮影が好きな人におすすめのスポットである。
MRT公館駅散歩③(終)
寶藏巖國際藝術村
住所:台北市中正區汀州路三段230巷14弄2號
時間:11:00-22:00、展覧会場は18:00まで、月曜休園
料金:入園無料
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