本日も引き続き、2022年に出逢った廸化街の素敵スポットをご紹介。
こちらの「葉晋發商號」は、8月の某平日の代休の日に廸化街で買い物してて、たまたま目に留まったお店。
入口から見るとお洒落なお米屋さん、といった雰囲気。
なんとなく気になって中にお邪魔してみると、お店でお米とか売ってたのはもちろんだが、店内に建物の由来を紹介したパネル展示もあり、由緒ある籾摺り工場兼玄米の卸問屋(であってるかな?)の建物だったらしいということが分かった。
この辺りは、日本統治時代の前からお米問屋さんとか精米業のお店がおおかったというし、このすぐ近くにも米屋さんの建物を改装したレストランがあるから、同じ系列のお店なのかと思って、お店のカウンターにいらしたお母さんにお伺いしてみたところ、同じく籾摺り業者ではあるが違う商店とのこと。
お店の奥が資料館になってて見学できるとのことだったので、急ぐ旅でもないので見学してみることにした。
ちなみに、見学料は100元で、1階と2階が見学できる範囲だった。
平日の午後ということもあり、資料館になってる店舗の奥に行くと、私のほかに見学者がおらず、貸し切り状態だった。
店舗から中に入ると吹き抜けがあり、その先の1階は広い広間。
入口には精巧な細工が施された高そうな衝立。
広間はレストランでも開けそうな広い雰囲気のある部屋である。
その右奥が籾摺りの器具とか資料、あと店主の葉氏一族の年表などが展示されている資料室になっていた。
手前のパネルの紳士は葉氏のご先祖様の様子。
展示室はそれほど広くはないが、大稻埕と呼ばれるこのあたりの地名の由来が稲を干す場所「埕」と意味であるという説明から始まり、台湾のお米の種類、籾摺りの手順や器具の紹介、当時の仕事の様子、葉氏一族の歴史などが細かな説明文と写真や道具などを交えて解説されており、ひとつ一つ読んでいくと非常に勉強になった。
吹き抜けに戻り、吹き抜けに面した階段から2階に上がると、先ほどのホールの真上はたくさんの楽器が置かれた部屋になっていた。
説明を読むと、この家の三代目のご当主が音楽の才能のある方で、またお金持ちでもあり、友人たちと楽団を組んで、公演活動を行っていたのだそうで、展示されているのは、その当時の楽団の写真や楽器などということだった。
パネルの方が、おそらくその三代目のご当主だろう。ハイカラだなあ。
2階の吹き抜け周りの廊下には、ご家族の古い写真が沢山展示してあり、明治、大正、昭和にかけての華やかな時代の雰囲気を垣間見ることができた。
1階に下りて、先ほどのホールの外にお手洗いがあるのだが、外から見たテラスの手すりのレトロな模様が素敵だった。
古い建物って、絵になるなあ。素敵。
このお店に気が付いたのも初めてなら、このお店の奥が見学できて、しかもこんなに素敵な空間だったとは、この日初めて気が付いた。
帰宅後に調べたら何年か前から公開してたとか。なんてこと。ちょくちょく来るのに知らなかったなんて!
歴史の勉強にもなったし、何よりも古い建物好きの心に刺さる美しい建物だったので、出逢えてよかったと心から思いました。
建築美だけでも一見の価値ありです。
見学料の100元が建物の保存維持に役立って、この先も建物が残っていくといいなあ。
廸化街に来たら、ぜひ見学してみてほしいです。超おすすめです!
葉晋發商號
住所:台北市大同區迪化街一段296號
時間:13:30~17:00、月火定休
料金:100元
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