お話が上手なボランティアガイドさんに連れられ、一行は2階へ。
2階のもうひとつの小さめのホールもイベント開催中で見学できなかったが、レストラン「堡壘廳」のテラスの見学ができた。
通常だと、食事のお客さんじゃないと入れないと思うのだが、ガイドさんと一緒なので「そのままお通りください」という感じだった。
お客さんもいらしたので客席内はじっくり見学できなかったけど、チラ見した空間は元貴賓室だったというだけあって、非常に豪華でエレガントだった。お茶したら素敵だろうなあ。
テラスの見どころは何かというと、まずは建物外壁のセラミックタイル。
細い溝が縦にいくつも入っているが、なんと1枚当たり43本もあるそうで、これはなんと太陽の光が反射しないようにするためなんだとか。
タイルの色はベージュのように見えるが、よく見ると薄い薄い緑色っぽいことがわかる。これも、空襲に備えて目立たないように「国防保護色」に塗ったんだそうな。
あとすごいのが、建物の角の部分のタイルは、角が切れてなくてなめらかなのだ。これは、わざわざ壁の角度にあわせて曲がった形のタイルを特別に作ったのだそう。ものすごい手間がかかっている。
つづいて、ガイドさんに促されて、上を見上げてみる。
作業中でよく見えないが、「中山堂」の文字の下に丸い窓があって、これは日本時代の鉄道の駅とかによく見られた「牛目窓」で日本風といえる。
その下の屋根は、オレンジの瓦が使われていて、これは中国福建省のスタイルで、台湾でもお寺でよく見かけるつくり。
1階入口ロビーのアラビア風のデザインと言い、外壁デザインと言い、ガイドさんがおっしゃっていた通り、いろいろな文化の要素が建物に取り入れられていることが良く分かった。
当時の設計者の人、すごいこだわって作ったんだね。
また2階の廊下に戻り、今度は中央階段のレリーフの説明が始まった。
日本時代に活動していた台湾人彫刻家の「南国」という作品で、水牛と子供たちが描かれている。台湾の国宝と言える重要な作品だそうだ。
非常に躍動的で素晴らしい作品なのだが、ボランティアガイドさんはこの作品に特別思い入れがあるのか、説明がものすごくものすごく長く、立ったままでお話を聞いているうちに、ちょっと頭がクラクラしてきてしまった。
たぶんだけど、朝8時前からほぼ立ちっぱなしで、このときは11時半近くで、もう4時間ちかく飲まず食わずで汗ばっかりかいてたから、たぶん軽い脱水症状だったんだとおもう。
座り込みたいくらいで、この時が最高にしんどくて、後半はお話が全然耳に入らなかった。
やっとのことで(失礼)レリーフの説明が終わったところで、今度はエレベーターで4階へ。
歩き始めると少しは楽で、ちょっとほっとした。
エレベーターを出た廊下からは、先ほどよりも近い距離で牛目窓と、2階ホールのアラビア風窓枠の一部を見ることができた。
最後は4階のカフェ「4F劇場咖啡」へ。
こちらは廊下の一部を区切ってカフェにした空間で、まだお客さんがいなかったので、ガイドツアーで中にお邪魔させていただいた。
手前にアンティークのピアノとか、お土産コーナーがあり、奥がカフェスペース。
シンプルで落ち着いた雰囲気で、とても好み。
「お茶するなら絶対窓際の席だな」と思っていると、ガイドさんが一番おすすめの席を教えてくれた。
それがこちら。
窓の向こうに真っすぐ延平南路が伸びて、突き当りに台北城の城壁だった北門が望める席。
同じように見える席は何席かあるので、空いていたらぜひおすすめだとおっしゃっていた。
たしかに。清の時代から現代まで、時間の流れをダイレクトに感じられるかも。
ここまでで、ガイドツアーは無事終了。
わたくしは、ガイドツアーを通して、特に前半元気なときに積極的にQ&Aに答えたりしてたのでガイドさんの覚えがめでたく、最後にはガイドさんお手製のしおりみたいなのをいただいた。
解散時に、どこの人かと聞かれたので日本人というと「中国語とっても上手だね!」とほめられた。楽しいガイドツアー、ありがとうございました~♪
さて、解散後、がぁこさんたら2階の展示とか見てたら変な階段から裏口に出てしまい、またエレベーターで2階に戻って、来た順路を戻って元の正門へ帰還するという、ポンコツ具合を発揮してしまい。外に出てきたら12時過ぎになっていた。
つうか、さりげに体がフラフラする。さすがにもう座って水分と食物を摂らないと倒れそうだ。近くにご飯を食べに行くことにしよう……。
中山堂。初参観(完)
中山堂
住所:台北市中正區延平南路98號
時間:
※ガイドツアーに参加しなくても、日本語イヤホンガイドあり。正面入り口奥のカウンターで借りられる。私は借りなかったけど、たぶん身分証とかいりそうな感じ。
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