MRT公館駅散歩①台北自來水博物館・バロック様式建築の美と水道行政の歴史にふれる。

台北古跡めぐりの定番中の定番のひとつが「台北自来水博物館」だ。

結婚写真やドラマ、CMのロケ地としても有名で、夏になると子供たちが水遊びに訪れる、おなじみの施設だ。

私も以前に何度も行った事があり、素敵な場所ではあるけど、最近では「特に用がなければ、今更わざわざ行くこともなかろう」という気持ちになっていた。

ところが、である。

2019年から2020年の年末年始に日本の友人と会ったとき、彼女(仮にAちゃん)に「台北の地下宮殿って知ってる?」と聞かれ、「何それ?」となったのである。

「どっかで写真見た」と言われて、Google先生にお伺いを立てると、Aちゃんが見たと思われる写真と記事を発見。そこには、とても美しい光景が紹介されていて、驚愕した。

地下宮殿とは、今は使われていない貯水池のことだったのだ。そしてなんと、非公開だった其の貯水池の、一般公開が始まったというのだ……!


台湾在住9年、全く存じ上げませんでした。(なんたる不覚)


で、さらに調べると、土日のみの開放で、ガイドツアーに参加しないと見られないということがわかり、1月の某週末に、早起きして突撃した次第である。

(Aちゃん、半年もたってからのご報告となり、大変申し訳ない。)


さて。

自来水博物館の公式サイトによると、地下宮殿、もとい貯水池のガイドツアーは土日の10:30と14:30。電話予約などは受け付けておらず、現場で整理券をもらって、参加しなければいけないようだ。

私が知らなかっただけで、すごい人気だったら、人が多すぎて参加できないとか、ありえる!?

心配になった私は、某週末の朝、会社に行くよりも早くアパートを出て、開園の9時前にチケット売り場にスタンバイ。執念実り、1番の番号札をGETしたのであった。

チケット売り場の人が9時前から窓口前に立ってる私にちょっとヒイテタ気もしなくはないが、いいのだ。これで確実にガイドツアーに参加できる。

久しぶりの自来水博物館。雨が降りそうな曇り空で、とても寒かったためか、というか開園直後のためか、園内にはほぼ人がいなかった。

ガイドツアーの時間まで、じっくり博物館の見学ができそうである。

まずは本館にあたるバロック様式建築から。

日本統治時代の台湾総督府の英国人技師ウィリアム・K・バートンが中心となって、この地にこの建物を完成させたのが1908年。100年以上も前のことだ。

建物の両端にドームがあって、真ん中はギリシャ風の柱が弧を描くように並んでいて、とても美しい。

この建物はポンプ室で、現在もきちんと修復された建物の中に、当時のポンプや機器が保存されている。

まだ10:30のガイドツアーまで1時間半近くもある。

まずは、中に入ってポンプ室の見学開始。そういえば、前に見学した時、そんなにじっくり説明とか読まなかったかもなあと思い、あちこちに掲示されている説明文もできるだけひとつずつ読み進めていく。

日本統治時代の新聞記事もあり、英国人技師ウィリアム・K・バートン(新聞ではバルトン表記)の功績についての紹介など、興味深い資料がそろっていた。

新聞記事で紹介されていたバートンの銅像は、いまはもう撤去されていて存在しないが、館内に小さな復元模型があり、どのような様子だったのか見ることができた。

じっくり資料を読むと、新たな発見があり非常に有意義な時間となった。

ひと通りポンプ室の展示を見終わったところで、まだまだ時間があったため、時間つぶしと復習をかねて貯水池までの道を散策してみた。

以前、何度かこの遊歩道を歩いて貯水池まで行った事があるけど、歩いてどれくらいかかったか確認し、ガイドツアーの時間配分を予想してみたいと思う。

博物館の地図を見るとこんな感じだ。本館の裏の遊歩道を歩いて行けば観音山貯水池に到着する。(地図画像は台北自來水博物館HPからお借りしました)

最初の階段を登り切ったところにあるのが、消圧塔。文字通り水の圧力を調整する場所だったらしい。塔に階段があったので登れるのかと思ったけど、封鎖されていた。

「水」マークの前からみた風景。なかなかの絶景だ。

つうかここ、近くに野犬がいっぱいいて、一人だとちょっと怖い感じもしたのでとっとと離れよう。

続いて表示に従って通路を進み、階段を上がりきると、観音山貯水池にでられる。

遊歩道のほとんどの部分はウッドデッキが敷いてあったり、階段が整備されているので、歩きやすい。片道15分もかからずに登れると思う。

この後のガイドツアーは約50分を予定してるらしいので、往復30分くらいが歩く時間で、貯水池の見学自体は20分ほどか。

道も確認したところで、いったん本館に戻り、10:30のガイドツアー開始を待つことにしよう。



MRT公館駅散歩②へつづく~~



台北自來水博物館

住所:台北市中正區思源街1號

時間:09:00-17:00、7月と8月は18:00まで

料金:50元、7月と8月は80元

通常の園内ガイドツアー:毎日10:00、14:00

観音山貯水池ガイドツアー:土日の10:30と14:30、予約不可

台湾いとしこいし

台湾が好き。 やって来た来た、いとしくて、こいしい、台湾。 勉強して、食べて、遊んで、旅して。勢いだけで、突っ走る元OL留学生、今日も台湾をゆく。 2017年台湾の大学の修士課程卒業、台湾で社会復帰。 instagram@taiwanitoshikoishi