鼎隆百貨。可愛い!履きやすい!そして安い!の、私的最愛中国靴。

この店で初めて買い物してから、たぶん10年はたったと思う。

まだ台湾デビューして二回目か三回目の台湾旅行の時に、チャイナ靴が買いたくてガイドブックやネットを見ていて、どうも西門町の有名なチャイナ靴の店より店は綺麗じゃないけど安そう、ということで行ってみたのが最初だった。

店頭に結構無造作に靴が積んであり、ミュールが一足300元からとか、激安。試してみると、外反母趾のある私の足にもぴたっとして、歩きやすい。ということで、あの時は確か興奮して3足ほど購入した。

その後も、友人と台湾旅行に来たときに、時々靴を買いに来ていたものだ。

特にお気に入りは、平底のスリッパタイプのミュールというかサンダルというか、やっぱりスリッパというべきなのか、でもここではサンダルと呼ばせていただくが、黒の布地に鮮やかな花の刺繍が入っている一足が最高にお気に入りで、台湾留学を始めてからは、寮で毎日履いていたのが、去年とうとう穴が開いてご臨終なさってしまって、ずっと新しいのがほしいと思っているうちに、ずるずる時がたってしまっていた。

先日、やっぱり新しいのを買って、今度は外で履きたい!! ということで、思い立ったその日に突撃して購入してきた。


店に着くと、ご主人の他に、靴を見ているお客が一人いたが、そのお客が立ち去った後、ご主人はふいっとどこかへいなくなってしまい、私一人が残された。


ええと、試着とかしてみたいんだけど…誰もいないって、どういう。爆


おおらかだけど、商品盗まれたりしないんだろうか。ちょっと心配だ。

しかし、「ゆっくりみたらいい」というメッセージなんだろうと勝手に解釈。店を行ったり来たりして、私の以前一番好きだったミュールを探す。

平底のスリッパタイプが300元、ミュールタイプやバレエシューズみたいな形のが390元とか450元とかだったと思う。私の一番ほしいサンダルを見つけたところで、ご主人が二階から降りてきた。

パッと見た感じ、ちょっと強面ぽくみえて、声をかけるのに一瞬勇気がいったが、チャイナ靴のサイズは62とか、72とか書いてあって、どの単位なのか全然わからないので、ご主人に、「あの、24履いてるんだけど、どれかな?」ときくと、「72だよ」と笑顔の返答。

なんだ、すごいいい人じゃん、身構えることなかったな。と、一安心。

一気に、楽しいお買い物モードに突入。


「試着してもいい?」

「いいよ、どれがいいか言ってくれれば、だしてやるよ。」

「ええとね、前に買ってずっと履いてたのが壊れちゃったんで、同じの買いたいの。」

「へえ、どれくらい履いてたんだい、一年か?」

「ううん、三年くらい」

「ええええ!! 三年!? よく履いたな!! じゃあ、わざわざ買いに来たのか、日本から。あ、今、台湾にいるのか?」

(あれ、日本人って自己紹介してないけど、やっぱ訛りで分かるのか。爆)

「今は、台湾で勉強してるの。」

「どこで?」

「XX大学のXX学科の修士一年」

「XX大学は、いい学校だぞ、たいしたもんだ、中国語じょうずだなぁ!!」

「へへへ。ありがとう。」

「で、どれにするんだい?」

「この、黒に花のやつと、あと一足。あの、ここに掛かってる、ヒールが高くて黒いの、夏だと暑いかな?」

ストラップ付のベロア生地の黒い靴とかすごい可愛かったけど、夏だし暑そうだし、どうしようかと思って聞いてみると、ご主人、クシャっと笑って、

「どの柄がいいか言ってごらん、どれでもこの形で作ってやるよ!

といった。


オーダーメイドもしているらしい。


どうしよう。

こんど、時間のある時、マジでお願いしに来ようかしらん。


ものすごおおおおおく、心惹かれたが、ベロア…今、30度とかだし。ジーンズ生地のも可愛いけど、手持ちのどの服に合うかがイマイチ見えない。やっぱり、元の目標通り、スリッパタイプの一番好きな柄と、もう一足違うのを買うことにした。

私がまた、店をぐるぐるしてどれを買うか品定めをしていると、どこかに出かけていて帰って来た女将さんに、ご主人が「あの子、前にウチで買った靴が壊れたからって、わざわざ買いに来たんだぜ、しかも三年も履いてたんだって! そんで今は、XX大学の研究所にいるんだって、たいしたもんだね!」と、自慢げに語っているのが聞こえた。(ほぼ台湾語だったが、キーワードの単語は北京語が混じってたのでだいたいわかるのだ。)

ご主人、かなりうれしく思ってくれたようだ。


最終的に、黒地にピンクなどの花の刺繍のものと、紺のサテン地に鳳凰の刺繍の、二速に決定。黒の方は、72、紺は型が小さめなので、大き目のがいいだろう、とご主人。紺の72は、たしかに小さすぎだった。

店頭の物には私のサイズがなかったので、新しいのだしてきてくれるのかなと思っていたら、「わしと一緒に二階へおいで、サイズ合うのを出してやろう」と、ご主人。

「え。私も二階に上がるの?」

「そうだよ、あがるぞ~」

ついて上がった二階は、天井までびっしり靴が積んである倉庫になっていた。

ここで、黒の72を履いてみるが、踵がだいぶはみだし、「だめだな、小さすぎだ」と言われ、74を履くと、ご主人のOKがでた。紺の方は、ご主人が出してくれた76を履いたところ、ぴったりだった。


綺麗なビニールに入れ替えてもらって、お会計、しめて600元。激安。

私の記憶が確かなら、たぶん10年くらい前から、変わってないように思う。

ほんと、最高にいい買い物だった。


そして、こちらが今回購入した二足。

外で履いて汚しちゃったら、もったいないなあ。でも履くけど。

そして、黒の靴の花柄刺繍。この柄が一番好き。

そして、紺の靴の鳳凰の刺繍。クールだけど、かわいいね。


黒の方が、少しヒール高め。

300元とか400元とかで買えるんだから、また柄違いのを買いにいこうかな。

とか言いつつ、ほかの靴も持ってるのだが。

でもきっと、また近いうちに買いに行くような予感。


可愛い、履きやすい、そして安い、三拍子そろったチャイナ靴が買える鼎隆百貨。

店が雑多な感じがしてご主人も見た目とっつきにくそうかもしれないが、とても人懐こい人なので、心配しないで買い物に行ってみてほしい。

場所柄、以前私も何回も買い物に行っていたように、日本人観光客も多い様子なので、日本語は通じないが、特に問題なく買い物できると思う。

私的、超お勧めのお店だ。


鼎隆百貨

住所:台北市中正區武昌街一段42號

交通:台北駅前から徒歩10分程度

電話:02 2331 1195

営業時間:11:00~19:00

地図:https://goo.gl/maps/ZpbbJtuzTno 

がぁこ訪問:写真は2016年5月

台湾いとしこいし

台湾が好き。 やって来た来た、いとしくて、こいしい、台湾。 勉強して、食べて、遊んで、旅して。勢いだけで、突っ走る元OL留学生、今日も台湾をゆく。 2017年台湾の大学の修士課程卒業、台湾で社会復帰。 instagram@taiwanitoshikoishi