監察院(旧台北州庁舎)。金曜限定一般公開!日本統治時代の美麗官舎建築を見学!!

2022年の9月のこと。とある平日が休みになり、思いついて台北市政府庁舎併設の資料館「台北探索館」の見学に出かけた。

無料ながらなかなか濃い内容の展示で有意義な午前中を過ごしたがぁこさん。

見学後、天ぷら屋さんで昼食を食べていた時にふと、「あれ、今日って金曜日!? だったら、監察院の見学できるんじゃ!?」と思い付いた。


監察院」は、台北駅とMRT善導寺の中間くらいに位置する行政機関。

役割としては、国家機関や国家公務員の不正を弾劾(告訴)や会計監査などを担当する機関だ。

庁舎は日本統治時代の建物で、前から一度中を見学してみたかったのだが、一般個人の見学は金曜日限定となっていて、今までなかなか足を運ぶ機会がなかったのだ。

あ、いや、大学、大学院の6年間に授業がない金曜日とか夏休み、冬休み、いつでも行けると思ってたら、結局見学に行かないまま就職してしまい、平日に見学に行くのが難しくなってしまった、というのが本当のところなのだが。

とはいえ、ちょうど思い出したので足を運ぶことにした。

午後の見学は14時から17時まで。

14時ちょうどに見学者の受付前に行くと、ボランティアスタッフの人に何の用事できたのか聞かれ、見学と答えると、身分証を預けて記帳を求められた。

見学者用の工作証を渡され、胸につける。

この時間、見学希望者は私一人のようだった。

そのまま見学しに行っていいのかと思ったらガイドの方と一緒に回るので少し待つように言われた。

つうか、正面玄関のホールがこれまた雰囲気満点で格好いいのよね~

眺めてるのが楽しいから、待つのは全然苦にならんですよ!

で、呼ばれていらしたのがベテランらしきおじいさんとおばさまのお二人。

この方たちがボランティアガイドで、おじいさんのほうがベテランらしく、先生と呼ばれていた。おばさまはガイド修行中だそうだ。

ガイドツアーは全部で40分くらいかかるとのこと。見学できるのは、正面玄関ホール、2階の資料室などの指定範囲のみ。この時はコロナ時期&工事中ということもあって、いつもより多少、範囲が狭くなっているとのことだった。

そんなわけで、2対1でガイドツアー開始。

貸切VIP状態じゃありませんの! 贅沢だな!


監察院の建物は日本統治時代の1915年に台北庁として建てられた。

1920年に台北州庁となり、戦後は中華民国衛生処および教育庁として使用されたのちに監察院の建物になった。

正面玄関前の十字路に面している中央部分とその両翼が一番古い部分で、ほかは1925年以降に増築されたとのこと。

設計は有名な台湾総督府の建築家森山松之助。和洋折衷の美しい赤レンガの官舎建築だ。

現在は国定古跡に指定されている。


おじいさんガイドさんはさすがベテランで、建物の構造とか歴史とか詳しくて、特に裏話が勉強になった。

曰く、正面から見て建物の左端に塔がないのは資金が尽きたから、とか。

曰く、正門の八対柱の両端は円柱じゃなくて四角くて壁に半分埋もれてる、とか。

ただ、今回残念なことに、重要な見どころの一つである正面エントランスホールの天井部分が工事中で見れなかった。だから下の写真は天井の写真を印刷した防護シートだ。

いつかまた機会を探して本物を見学しに来なくては。(現在は修復工事完了しているはず)


こちらは2階のお部屋。

ここでは監察院の役所としての部分の解説がやや長かった。監察院の解説ということで正しいのだけど、監察院内の組織についてとか歴任した長官の方々の紹介とかの部分は私はあまり分からないし、個人的には申し訳ないがどうしていいか困る時間だった。

もしも可能であれば、この部分は簡単な説明にしていただいて、その分もうちょっとゆっくり建物自体の構造などを見せていただければ、もっとよかったかも。

2階の見学コースの中で一番大きな部屋は、以前の改修で天井板をガラス板に変えてあり、屋根裏のキャットウォークとか天井内部の木造の構造がよく見えて、建築物萌えとしては大興奮!

上がれないのは残念だけど、見れるだけでも相当すごい!

こちらは暖炉。現在はガラスで囲われて使えなくしてある。

ガイドツアーでは現在も執務で使われている部屋の見学は不可だったが、2階の回廊は歩くことができた。

廊下から見下ろした中庭も雰囲気抜群。どこかの公園みたい。

階段の吹き抜けも素敵。

MRT北門駅上の国立台湾博物館鉄道部園区とか、日本統治時代の役所の建物に共通するスタイルが感じられる。

こんな建物が役所として現役っていうのがすごい!

いつまでも、美しい建物が残っていくといいなあ。


ツアーが終了して玄関ホールに戻ってきたのはちょうど14:40ごろ。

予定通り40分で終了となった。

おじいさんとおばさまのガイドのお二人にお礼を言って解散となったのだった。

お二人は、この後も現場で待機され、見学者が来たら出動される様子。

ありがとうございました~!!


参考までに、公式サイトの見学についての注意点はだいたい以下の通り。

時間が合えば、みなさんもぜひ見学してみてくださいね~!

(参観前に公式サイトでも最新の公開時間を確認してね!)

一般個人:

金曜の9:00~12:00,14:00~17:00、事前申請不要・当日は身分証携帯

団体(学校など):

月曜から金曜の9:00~12:00,14:00~17:00、1週間前までに申請(申込書は公式サイト)

結婚写真撮影ロケ:(古跡でロケOKってすごいね)

金曜12:00~14:00、日曜9:00~12:00、1週間前までに申請

※上記各参観時間は、祝日に当たったときは中止

※参観コースに沿って見学すること。開放エリア以外は立ち入り禁止。

※ランニングシャツ、タンクトップ、スリッパなど、乱れた服装での入館禁止。

※携帯荷物はできるだけ少なくすること。

※喫煙、飲食、ガム咀嚼、ペット、危険物持ち込み禁止。

※勝手にガイドツアーを離れて歩き回ったり、物品を破壊しないこと。

※階段で遊びまわる、階段の手すりによじ登るなどの危険行為禁止。

監察院

住所:台北市中正區忠孝東路一段 2 號

時間:一般個人参観は金曜日09:00~12:00,14:00~17:00まで

料金:無料

台湾いとしこいし

台湾が好き。 やって来た来た、いとしくて、こいしい、台湾。 勉強して、食べて、遊んで、旅して。勢いだけで、突っ走る元OL留学生、今日も台湾をゆく。 2017年台湾の大学の修士課程卒業、台湾で社会復帰。 instagram@taiwanitoshikoishi