ホテルにチェックインした後は、服を着替えてベッドに横になった。
大雨で、外に出るに出られず、お茶を飲みながら、テレビで映画を見て、午後はぼんやり過ごした。
16:30、突然携帯が鳴った。
無視しようかと思ったけど、とりあえず出てみると、相手は何と警察だという。
「警察ですが、がぁこさんはどこにいますか?」
え、何!? なんで警察が私に電話してくるわけ!?
つうか、そもそも、本当に警察なの!? なんかの詐欺じゃないの!?
気持ち悪くなって、恐る恐る尋ねる。
「あの、すみません、あなたどなたですか? どうして私があなたに、私がどこにいるか教えなくてはいけないんですか?」
電話の向こうの相手は言う。
「こちらは山の上の警察です。バスの運転手が、『16:30にバスに乗るはずだった日本人の女の子がいなくなった!』と心配して、通報してきたのです。だから警察はあなたの安否を確認したいのです。どこにいますか?」
えええええ!!
ま、まじすか…………!!
う、運転手さん、そんなに私のこと気にかけてくれてたなんて……!!
運転手さんは、約束した時間にバスに乗らない私を相当心配したらしい。豪雨だし、何かあったんじゃないかと思ったに違いない。
通報を受けた警察は、私が朝に検問所で氏名と携帯電話番号を書いて提出した記録を見て、私に電話してきたのだ。
警察の説明を聞いて、感動するやら、運転手さんにそんなに心配させて非常に申し訳ないやら、本当に驚いてしまった。
「す、すみません。あ、あの、ええと、午後大雨になりそうだったので…予定を変えて、お昼に駅に戻って来たんです。それで今は、ホテルの部屋にいます…」
「そうですか、無事なんですね。ホテルの部屋にいるんですね」
「はい、すみません…」
電話をくれた警察の方に、「どうか運転手さんに、私からの感謝をお伝えください」とお願いして電話を切った。
ああ、運転手さん、なんていい人なんだろう。それに比べて、私は予定を変えても、夕方のバスに乗るねと言って別れた運転手さんのことを気にもしないで帰ってきて。
こんなのほほんとしたおバカな見ず知らずの観光客の私のことを、こんなに心配させて、本当に申し訳ない。気にかけてくれて、本当にありがとう。(涙)
なんだか、本当に、涙がでそう。なんて親切なんだろう。本当ごめんなさい。
やはりもう一度お礼を言った方がいいだろうと思い、夜になって雨が弱まってから、私はバス乗り場に行ってみた。もちろんあの便のバスはもう終わっていて運転手さんもいないので、窓口のスタッフにこのことを伝え、運転手さんにお礼を伝えてくれるようにお願いした。伝わっているといいんだけれど。
本当に、この日は改めて台湾人の親切さに出逢った日になった。本当に、心の底から、運転手さんに感謝したい。
本当に、本当に、ありがとうございました!!
2015年8月夏休み・南部放浪7泊9日バックパッカーひとり旅。19へつづく~
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