窓の外に、真っ青な海と空が広がっている。宜蘭県を越えたようだ。だんだん海沿いの景色が多くなってきたら、もうすぐ花蓮県。
少しうとうとしたと思ったが、まだまだ目的地の半分にも到着していない。今回の旅の最初の目的地は、台東駅。朝9時に台北駅を出て、到着予定は14時50分。約6時間の長丁場。
最新のタロコ号だったら半分くらいの時間で着くのに—―。でも、ぎりぎり購入できたのが普通の特急自強号だから仕方ない。
2014年の夏休みは、大学四年に上がる前の、大学生としては最後の夏休み。
(実際には2015年大学卒業後そのまま同じ学校の修士課程に進んだので、未来にまだ二回夏休みはあるのだが。)
私としては、もしかしたら人生最後の夏休みかもしれないので、今まで行ったことがなかった場所に行ってみようと思っていた。でも、学校の用事やアルバイトでバタバタしているうちに、全然どこにも遠出できず。8月の末になってようやく四日間のまとまった時間が取れることになり、旅の手配をしたのが、出発の一週間くらい前だった。
花蓮から台東の間の特急チケット争奪は苛烈を極める。タロコ号やプユマはネット予約開始と同時にあっという間に売れていく。うっかりすると、私のように6時間もかかるチケットしか買えないのだ。それでも、朝の割といい時間の切符を買えただけまだまし。
いつも思うのだが、タロコ号と普通の特急券が所要時間が全く異なるにもかかわらず同額というのがよくないと思う。日本の新幹線だって、一番早いのぞみは金額が高くてひかりは安いじゃないか。
トンネルに入り、車内が暗くなる。みんな寝ている。うん、さすがに旧式の列車はボロ…いや、レトロな趣があるわね。
などと考えているうちに、また風景が変わり、列車が橋を通過していく。眼下には、青い青い海につながる白い石の河原。この川の上流がタロコ渓谷だ。花蓮へはこの年の1月にも行ったばかりで、見覚えがある。(あ、旅行記はいつ書けるんだ?)
タロコ渓谷の入り口、新城駅着。
前に二回タロコ渓谷に行ったけど、いつも花蓮駅の宿からガイドさんに連れられて行ってたから、この駅には降りたことがない。
そして花蓮駅。
花蓮駅通過後には、お楽しみが待っている。
しばらくすると、列車が風にそよぐ青い稲田が美しい田園地帯に入る。この辺りは、米どころとして有名な地域。
池上駅到着。
もう午後二時だが、私はまだお昼を食べていなかった。なぜなら…
いたっ!! 駅弁売りのお姉さん!!!!
待ってーー!!私も買う!!
ゲット♪
そう、私のお楽しみは、この駅弁。有名な池上弁当70元。包装紙もレトロで可愛いわねえ。
そうそう、おつりははなから30元ずつセットしてあって、支払いがすごいスムーズだった。
お弁当は小さめでお腹一杯にはなれなかったけど、おかずがあっさり目で結構おいしい。お米も美味しい。さすが、米処で有名な池上。でも、お米を食べさせるんだったら佃煮と梅干だけでもいいのになあ…とも、思ってしまった日本人がぁこだった。
(※2017年に再度通過した時には、ホームの駅弁販売は行われていなかった。駅員さんによると、もう販売していないのだとか。土日か何かイベントの時にはチャンスがあるかもしれないが、残念な事である)
食べながら、田園風景を眺める。とっても、素敵な電車の旅をしているなあという気分だ。
鹿野駅着。明日泊まる駅だ。
そしてやっとやっと、台東駅着!
次の各駅停車の区間車の切符を購入するために、いったん下車。
ん? ふつう、こういう時のふりがなは平仮名を使うと思うのだけど、どうでしょうか、日本人の皆さん!?
一度様子を見るために外に出てみる。駅は原住民文化前に押し出してて、楽しそう。
ビジターセンターで日本語の観光案内地図などをもらい、釈迦頭パイナップルのアイスキャンディーで一休み。結構食べやすい。
次の急行・莒光号に乗り換えて、本日のメインイベント塩水温泉へGO!!
2014年8月夏休み台東花蓮ひとり旅三泊四日。②へつづく~
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