午後15時半過ぎ。
がぁこさん、いそいそと台東駅の改札をくぐり、4番ホームへ。
さあ、いよいよ、この旅の三つ目の目標にして、最大の目標であるイベントの時間よ!!
ワクワクしながらホームに上がると、すでに憧れの紺色の列車がスタンバイしていた。
そうなのだ、本日のメインイベントは鉄分補給!!
これからこれに乗れるのね! ドキドキするわ~!
おっと、意味不明な方に説明しよう。
この列車は16時発車の「普快車3672」。台湾鉄道南廻線の普通列車のひとつだ。
2019年4月当時、普快車3672は台東―枋寮間を1日1往復だけ、午前に枋寮を出発して台東まで走り、午後に台東から枋寮に帰るというコースで運行されていた、非常にレアな列車だった。
使用している車両も特殊で、今ではなかなか見ることがなくなった、車内に扇風機があって、窓を開けられる、昭和レトロな古い車両だった。
台東と枋寮の間を2時間20分で結び、台東県内では太平洋の絶景を、山間のトンネルをいくつか抜けた屏東県では台湾海峡の風景を車窓から眺めることができる。
美しい風景に日常を忘れて癒されることから、台湾では「解憂號(憂いを忘れる=気晴らし号)」として鉄道ファンに愛されていた。
2019年当時にもすでに運行停止の噂が出ており、ライトな鉄としては廃止前に必ず乗ってみたいと思っていた「解憂號」。待望の初乗車なのであった。
(※2019年の乗車後、また乗りたいなと思っている間に、翌年の2020年末についに運行終了となり、古いままの列車に再び乗ることは叶わなかった。廃止後はメンテナンスを経て、2021年10月から台湾の旅行会社ライオントラベルにより観光列車「藍皮解憂號」として運航されている。)
台東駅の発車時間は16時。発車まで20分ほどあったので、まずは車両を見学。
車両外壁に「40TP32267」とあり、これは後で調べると、おそらくインドのメーカーの1971年製の車両と思われた。
最後尾の車両のお尻はドアが閉まるタイプで、以前見かけたことがある開放式の手すりがあるタイプではないのがちょっと残念だった。実際に乗ってみたかったなあ。(聞くところによると、あれは日本製車両らしい)
先頭の機関車はディーゼル機関車。下の写真は大武駅で撮影したもの。
このタイプの機関車は、台湾でもだいぶ少なくなってきている。加速が遅くて排気の独特な臭いもあって、長時間乗るには乗り心地的にはあんまりよくないけど、レトロな感じは好き。
車両内がまた萌えるのよ!
見てくださいよ、この超レトロな感じ、まさに昭和!
ジャパンの国鉄も昔はこうだった、っていうあの感じですよ!!
天井の扇風機、硬そうなシート、使い込まれたつり革、そして何よりこの空気感。たまらんすわ。
この車両には冷房はついてないので、夏は窓を開けて、扇風機を回して風を通すのよ。
この日も真夏日だったから、窓はほとんど開いてたよ。
古びたつり革と変色したつり輪。すごい味がある。
つり革を吊るしてるバーのデザインも時代を感じさせて素敵。
車両連結部を見ると、連結部を足元まで覆ってない状態でドッキングしてるので、隙間から線路の砕石とか枕木が見える。スリリングぅ~! ナイスね~!!
写真は撮ってないけど、トイレも超旧式の循環式トイレだった。綺麗とはいいがたく、使うのは勇気がいる感じだった(もちろん使ってない)。
とにかく、車両内外のどこを見ても昭和な空気に満ちていて、レトロさに萌えまくり。
出発前からテンションマックスのがぁこさんであった。
車両見学で萌え散らかして写真を撮りまくっていると、あっというまに16時となった。
さあ、藍皮普快列車「解憂號」で南廻線南下の旅に出発よ!!
2019年4月3泊4日台東・屏東・台南ひとり旅12-DAY2-6につづく~
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