大龍峒保安宮「放火獅」。君は台北101よりド迫力の花火を見たことがあるか!?

大晦日恒例の台北101ビルのカウントダウン花火はビルから四方に放たれる花火の迫力と美しさで世界的に有名だが、台北にはもっと間近にド迫力の花火が見られるイベントがあるのをご存じだろうか。

それは、大龍峒保安宮で行われる「放火獅」だ。

大龍峒保安宮はMRT圓山駅近くにある大きな台湾道教のお寺。主神に医神として信仰を集める保生大帝を祀っており、毎年保生大帝の誕生日の前日である旧暦3月14日に行われる重要な祭事が、神様が街を練り歩く「遶境」と、獅子の人形を燃やして厄払いを祈願する「放火獅」だ。

この日は午後から奉納武芸の「芸陣」やはせ参じた各寺院の神様の行列が保安宮の周辺の大龍峒や大稻埕を練り歩く。各団体は色鮮やかな旗に先導され、行く先々で盛大に爆竹が鳴らされ非常に賑やか。

クライマックスは夜の「放火獅」だ。

本殿前に次々芸陣や神様たちがやってきた後、紙でできた獅子の人形が運び込まれる。

ここで花火が打ち上げられるのだが、会場は廟の前の道路で、見学に集まった群衆と獅子の間はわずかな距離しかないため、見学している場所によっては花火がすぐ上で炸裂する。

花火の種類も普通の打ち上げ花火もあればロケット花火とかもあって、これが笑っちゃうくらいの大迫力なのだ。

写真は2018年に友人と見学した際のものだが、割と近い場所で見学することができた結果、

「いやマジで、101なんか目じゃないわ! ヤバい、ヤバい、ヤバいわ!」と、二人して大興奮。

花火がひと段落すると、カウントダウンのあとに獅子の人形に火がつけられ、見る見るうちに獅子が炎に包まれていく。

そして燃え盛る獅子と共に花火もドカンドカン、ロケット花火がビュービュー、煙で奥が見えないわで、会場全体がヒートアップ!

語彙が乏しくて申し訳ないが、もうとにかく超興奮するド迫力なのだ。マジでヤバい!!

獅子が大部分燃え尽きると、今度は会場の情報にカーテンのように吊るしてあった花火が点火され、そしてまた打ち上げ花火だ。いやもう最高!

大興奮のうちに「放火獅」が終わっても、夜はまだまだ続く。

帰り道に民権西路の方まで歩いてみたが、神様たちのパレードがまだ続いていて、街のあちこちで戦争でも始まったかと思うような大音量で爆竹が轟音をあげ、何なら破片も飛んできて通行人にあたるくらいの混沌とした風景が繰り広げられていた。

煙に霞む街の中を神様たちが歩いて行く様子などは、なんだか幻想的でSFファンタジー映画のようだった。

そして路上には、大量の爆竹の殻が赤い雪となって降り積もっているのだった。

大龍峒保安宮の「放火獅」は、血沸き肉躍る超興奮の伝統行事。まだまだメジャーではないけれど、ぜひ観光客の皆さんにも見学して欲しい超おススメのイベントである。これにあわせて台湾旅行を計画してもいいくらいだと思う。

「放火獅」以外にも、保生大帝の誕生日関連のイベントは「保生文化祭」として2か月くらい続いて、パレードや伝統芸能の公園なども行われるので、ぜひ保安宮の公式サイトでその年の予定を確認して、遊びに行ってみてほしい。

2021年の「放火獅」は今度の日曜日4月25日とのことで、がぁこは行くかどうかただいま検討中。期間中毎日のように開催されてる奉納オペラの公演も気になるし。どちらかには行ってみたいと思っている。



大龍峒保安宮公式サイト「保生文化祭」案内

PS

私が見学した2018年撮影された動画をYoutubeで見つけたので貼っておく。この撮影者の方はすごくいいポジションで撮影されてて羨ましい! さらに近くてド迫力!!

台湾いとしこいし

台湾が好き。 やって来た来た、いとしくて、こいしい、台湾。 勉強して、食べて、遊んで、旅して。勢いだけで、突っ走る元OL留学生、今日も台湾をゆく。 2017年台湾の大学の修士課程卒業、台湾で社会復帰。 instagram@taiwanitoshikoishi